深澤直人×藤井保

山本さんにお誘い頂き、

THE OUTLINE 見えていない輪郭
深澤直人 藤井保
アシェット婦人画報社
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この写真集の出版記念となるトークショーに行ってきました。青山ABC。

世界の名だたるブランドで活躍するプロダクトデザイナー、深澤直人氏と、広告写真界において独自の世界観を表現、その仕事が高く評価される写真家、藤井保氏。互いの仕事を深くリスペクトし合うふたりが、「見えていないデザイン」というタイトルのもと、約4年に渡り雑誌『モダンリビング』にて連載をしてきました。そこで紹介されてきた写真に、新作や欧州での撮りおろし写真を多数加え、深澤直人氏の文章と共にまとめた『THE OUTLINE』。

今回のトークショーでは、深澤直人氏と藤井保氏が自身の言葉で、『モダンリビング』での連載にまつわる思い出や、作品制作への思いなど、盛りだくさんに語ります。

青山ブックセンター:『THE OUTLINE 見えていない輪郭』発売記念トークショー&サイン会 深澤直人×藤井保 (東京ウィメンズプラザホール:2009年10月6日)

結論、ものすごく素敵な時間でした。山本さん、ありがとうございます! 深澤さんとは何年か前に直接お話しをさせて頂く機会があり、いくつかの「深澤プロダクト」に囲まれながら過ごしているわけですが、藤井さんの話を伺うのは完全に初。事前情報も敢えて入れず、マグライトとか無印とか、ああいう写真を撮られる方はどんな話し方をするのだろう、と興味津々で会場へ。

トークショー開始直後は「やはり職人……、ほとんどしゃべらないのか!?」と心配になる一幕もありましたが、終わってみれば半分以上は藤井さんが話していたと思います。オーディエンス側も、何となくですがプロダクト系というよりは写真系の方が多かったみたいで、質問についてもやや藤井さん寄りのものが多くなりました。以下、印象に残った言葉をメモ。

藤井さん:

    雑誌では普通、良い仕事ができない(スケジュールとかの面で)
    写真で立体を平面に戻すことを意識している
    深澤さんのプロダクトには、その”R”には、グラデーションが「宿る」
    影がないということは、輪郭が無くなることだ
    現代人が楽しめなくなった「距離」
    バウハウスっぽい
    全てを説明せずに、美しく、チャーミングなところを「感じさせる」ことが豊かで幸せな関係。全部見せてしまうとつまらない
    ※その考えを強めたのは谷崎の「陰影礼賛」以降

深澤さん:

    藤井さんは図面のような側面を撮る
    写真は一般的に誇張であるが、藤井さんのそれは違う。ライティングもしないし、そこに作家の意図が見え隠れしない
    時間をかけて見ると見えてくるものがある。
    傾くことがリアルに。
    Geometricだけでなく、最後にスパイスを入れる。
    SuperNomal、普通でありながら超えている、デザイン的なものを感じない。Jasper Morrisonとのストーリー

質疑応答である女性の方が
「深澤さんはINFOBARとかNEONで比較的輪郭がはっきりしたものをプロダクトしてきて、藤井さんはその輪郭をぼやけさせる形でアウトプットしている。そのアプローチの違いについてどう考えているか。正反対ではないか」
という素晴らしい質問をしていて、答えは「その通り」なんだけど、この質疑で「THE OUTLINE 見えていない輪郭」というこの書籍というか、プロジェクトに対する理解がだいぶ深まったように感じる。ありがたや。

全ての作品を見たわけではないと思うのですが、フラードームを背景に朱のチェアを撮ったものと無印の壁掛けCDプレーヤーの写真が特に響きました。ティーチングというか、アーティストによる考え方の「輪郭」の提示を受けて作品を見るというのも、たまには良いものですね。

21_21でやる展覧会まで見て完結かな、と思うので楽しみに待ちます。

「THE OUTLINE 見えていない輪郭」展
会場: 21_21 DESIGN SIGHT
スケジュール: 2009年10月16日 ~ 2010年01月31日
住所: 〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-6 (東京ミッドタウン内)
電話: 03-3475-2121