金曜の夜、仕事もなんとかなりそうだったので19時ちょうどに青山ブックセンターへ。直前まで行けるかどうか分からなかったので予約してなかったものの、10分前に電話したら「残席あり」とのお返事。喜び勇んでダッシュ。このイベント。
『QUOTATION NO.7』刊行記念 編集長:蜂賀亨×デザイナー:西条英樹 司会進行:古賀一孝 「QUOTATION編集部が注目する、クリエイティブとエディトリアルデザイン」 (本店:2010年4月23日):青山ブックセンター
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201004/4quotation_quotation_no_quotat.html
会場に着き、座ってノートを広げていると、後ろから知った気配が。振り向いてみると@Migihizaだった。好きなものが似てるから今後もいろんなところで会いそうだな。で、当たり前かもしれないけどスーツで参加しているのはぼくひとり。年齢的には平均よりちょっと上かな、という感じだったけど、その違和感は凄まじかった。その割に髪の毛くるっくるだし。で、こういうイベント、もっともっと若い人が参加して、もっともっとガツガツしたらいいのにな、といつも思う。本を読むのとも違うし、WEBで動画を見るのとも違うし、取っ捕まえて質問攻めにしたって良いし。あと、行間、じゃないけど、「その場の空気」を性格に把握し再現する技術は、いまのところ、ない。
ちなみに、事前に告知されていた内容はこんな感じ。
<イベント内容>
創刊号から『QUOTATION』のアートディレクションとデザイン全般を手掛ける、デザイナーの西条英樹氏をゲストにお迎えして、『QUOTATION』編集部が注目するクリエイティブとエディトリアルデザインについてお話いただきます。
また『QUOTATION』が毎号どのようにして制作されているか、その製作過程についてもお話しいたします。
QUOTATIONはこれ、ね。念のため。
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ま、フタ開けてみるとちょっと違った(司会進行のBNNの古賀さんが終わった後心配そうに「大丈夫でしたか?」って聞いてた。大丈夫でした 笑)けど、満足満足。以下、備忘録的に適当に書きます。だーっと。
西条さんは元々VJ出身。スペシャのステーションIDとかの制作から平面に転じ、+81の時から蜂賀さんとコンビ開始。直近ではWWDのメンがこのコンビによるもの。WWDに関しては「(自由にやらせた)インファスが偉い」と蜂賀さんが言っていた。
ちなみに、もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれないけど、(ぼくの中で勝手に)伝説の”3www”っていう有料のイベント情報誌があって、それのアートディレクションもこのコンビによるものであることが判明。で、懐かしさのあまりにうっかり小声で「懐かしいなあ……」とつぶやいてしまった。
だいぶ昔のことで記憶が曖昧なんだけど、多分2004年頃。当時ちょうどTABを立ち上げようとしている最中で、なぜか分からないけど「やられたなあ」と感じていた。もちろん、死ぬほど大好きな「情報誌」だった。情報誌ってかっこわるいな。でもフリーペーパーじゃないしな。ま、懐かしかったな、と。そういう、西条さんのキャリアの話が20分ほど。既にテンション上がりまくる。
GASが出していたAtomosphereで作ったオリジナルフォント(美しいんだ、これが)の話や、日本語の扱いの難しさに触れながら、「プロフェッショナルっぽく文字組をするより、やっぱり何とかしてカッコ良くしたい」と言っていたのが印象的。カッコつけずに「カッコ良くしたい」って言えるのがすごいな、と。狙って打てる人なんだな、と。
なお、蜂賀さんが感じている西条さんの良いところは「フォントも映像も作れてグラフィックもやれるところ。」確かに。映像をもっと見てみたいな、と思いました。
で、QUOTATIONに関しては、「デザインが全面に出過ぎてカッコ良いものよりも、新聞のように読むことを前提としたデザインにしている」と。固定的なフォーマットは設けていないものの、進行が厳しくなることも多く、最後まで編成をいじるので、基本的には1/2ページもしくは1ページのモジュールで構成してFlexibilityを持たせて。最新号で7号だけど、「1号とか2号とかは、それが良いのか悪いのかよくわからなかった」と西条さん。読んでる方もそれは何となく分かった。もちろんぼくにとっては「良いのか悪いのか分からない」1号2号も十分衝撃だったんだけど。最新号は赤。ディスプレイで読むんだったらあり得ないけど、紙だったらギリ行けるという、そういうギリギリのところをちゃんと意図と意志をもってクリエーションしてる。楽しそうだし、いいな。とても。
蜂賀さんからは「イメージはむやみにでっかくしない」というお話が。QUOTATIONに掲載されるものは、例えばプロダクトだったり、例えば広告だったりして、それを作るのにはものすごい予算がかかっていて、そうした他人によって作られた美しいものをどーーんと大きく載せて「ほらカッコ良いでしょ」というのは他人のふんどしで相撲を取る感じがして嫌だ、勘違いする、と。実際、読んでいて、「なんでこのビジュアルこんなに狭苦しく置くのかな」と思ったことが何度もあったけど、そういうポリシーに基づくものだったんだな、と納得。そりゃそうだよな。著作権も割とグレーだし。あと、「大手出版社のやることもやらないし、例えば”アイデア”みたいなものともちょっと違う」という言葉も。ポジショニングをちゃんとしていて、それを蜂賀さんがマネジメントして、それを西条さんがきっちりカタチにして、という良いコンビだな、と見ていて思った。
そんなこんなであっという間の60分。有益すぎる。余談だけどこのイベント実は無料。5000円くらいなら払える。
あと、西条さんご自身は「ぼくこういうところではなすの苦手なんで、よくわかんなかったらごめんなさい」と何度も謝っていたけど、「話し出すと止まらない系」の方で、最後はもっと話したそうだった。というより、とても責任感が強いんだろうな、と思う。会場で唯一出た質問についてもとてもとても丁寧に返していて、でも伝わりきっていないのを感じ取ってもどかしそうで、その真摯な姿勢に会場全員が好感を持ったと思う。デザインはそのすべてが言語化できるはずもないし、文字にできたって言葉にできるとは限らないし、またその場で即興的に表現できるとも限らない。そういうことのもどかしさが何とも言えない後味として残った、とてもとても良い時間だった。
最後、おまけ的に西条さんによる「ぼくはこんな雑誌に影響を受けました」コーナー。DAZED、FACE、grafik、FAIRY TALE(FT)、A Magazine、fantastic man、AnOtherManなどなど。FTだけ知らんかった、というかFinancialTimesかと思った。どんだけビジネス脳だ。イベントはそんな感じで無事終了。
QUOTATIONを初めて見たのは六本木の青山ブックセンターで、とにかくテキストに下線が引かれまくってんな、あと情報量多いのにこんな値段で大丈夫かな、と思ってた。当然買った。で、2010年4月現在、今最も好きな雑誌。意図されていらっしゃらないだろうけど、頑張らなきゃいかんな、と思わせてくれるし、まだまだ世界は捨てたもんじゃないかも、とも思う。まだワクワクできるな、と。
で、この辺りの話は書き始めるといくらでも書けるし、話してもいくらでも話が続くので、偶然同席した @Migihiza と、いったん最新号を読んで、読み終わったあたりに座談会(といいつつおいしいごはんでも食べる会)でも開こうか、と話しておいた。夜な夜なそういう時間を持つっていうのも悪くないかな、と。twitterにも書いたけど、参加者募集中、かも。と、思ったら蜂賀さんから「興味ある」とのmentionが! さて、どうなることやら。乞う、ご期待。
