「プロモーションプラットフォーム」

仮にプロモーションがその目的を達成し、企業側の想定どおりに消費者が盛り上がっている状態を「温かい」とした場合に、その「温かい」期間がとてもとても短くなっている気がする。厳密に比較したわけじゃないから分からないのだけど。もちろん、そもそも「温かい」状態に到達できずに冷めたまま終わってしまうものもあるんだけど、瞬間的に「温める」のは消費者に対する数々のコミュニケーションツールの誕生により昔に比べると低コストで効率的にできて、ちゃんと考えて適切なアクションを適切なコストを投下して行えば、それなりに成功できると思っている。実感値として。

ただ、この情報大爆発時代にあって、問題はその後にやってくる。つまり、「温かい」状態をいかに長く保てるか。そして、プロモーションは常にビジネスのKPIとは少し離れたところにあるはずなので、その目的へといかに誘導できるか、ということ。単発のプロモーションに一度参加しただけで顧客化する確率は極めて低いし、どんな企業であっても見込み顧客との継続的かつ良好なコミュニケーションは喉から手が出るほど欲しい。欲しいに決まってる。でも、あんまりできていない。そこで思うのは、「プロモーションプラットフォーム」みたいな発想と行動が求められてくるんだろうな、ということ。そこで思いつくのはUNIQLOとコカ・コーラ。

UNIQLOのWEBプロモーションについては賛否両論あると思うけど、間違いなく成功していると考えていて、昔Twitterでもつぶやいたんだけど、

http://www.uniqlo.com/uj/jp/ 相変わらず良い。継続できるのがすごい。で、UNIQLOの一連のWEBが好きな理由は、見ていて理屈なく気持ちが良い、購買導線を絶対に諦めない、そしてWEBに(も)音楽が重要だと訴え続ける、の3点。less than a minute ago via web

140文字だったのでここに書けなかったけど、上記に加えて徹底したプロダクトフォーカス、そして記号性の重視(無駄に芸能人使ったりしない)という共通項が存在していて、消費者がUNIQLOのプロモーションに接触した瞬間、「あ、これはUNIQLOのなんらかなんだな」という態度にすぐに切り替わるのが手に取るように分かる。もちろんこれは最初からそうであったわけでなく、長い期間を経て徐々に蓄積されたものなのだけれども、表現領域でこうした「プラットフォーム」を構築できているのはその実現難易度も手伝って大きな強みになっている(時として弱みになることもあるけど)。

で、コカ・コーラ。こっちはもっと単純で難易度も低め(ただ、言うは易く行なうは難し)なんだけど、コードを自社サイトで入力させてポイントを蓄積させる、そしてそのポイントには原則有効期限がない、というプラットフォームが強烈。

自販機やコンビニで缶の飲み物を買うとシールが付いてきて、その裏にあるコードを入力するとプロモーションに参加できるんだけど、その参加のためには彼らが自社で運営している「コカ・コーラパーク」というメディアに登録することが必要となっている。

当然のことながら登録は無料であり、登録しない理由はあまりない。一度登録すればあとはシール裏のコードを入力するだけである。で、重要なのは、ある一定期間のプロモーションへの参加を希望しコード入力したものが、別の期間に行われる別のプロモーションに普通に流用できる、という点。全くもって無駄がない。消費者が、「この前のキャンペーンで貯めたポイント使えるんだったら今回のにも参加する(つまり、コカ・コーラ社製品を飲む)か」となるのが容易に想像できる。シンプルで力強いスキーム。

UNIQLOはクリエイティブで、コカ・コーラはスキームでプラットフォームを形作り、プロモーションにおける、消費者との継続的なコミュニケーションに成功している。こういう考えでいないと、消費者が冷めては温め(プロモーションをやり)、冷めては温め(またプロモーションをやり)、という自転車操業になることが目に見えていて、そういうのを防ぐためにも有形無形のコミュニケーション/プロモーションプラットフォームが自社に必要だな、と強く強く思う。

次は高橋酒造あたりが来るのかな。もしかしたら。ターゲットが狭くなるから難しいかもしれないけど、その分強いコミュニケーションができるし。全然関係ないけど、児玉裕一氏はすげえなあ。何度も観てしまう。

それにしても、消費者の時間は絶対的に有限。ここも早い者勝ちだ。ますますがんばろう。