書店の物理的制約性と「メッセージ」

毎年夏の恒例ステキ行事。とはいえあまり積極的にプッシュされていないので気づかない人が多いと思われる「ABC ブックフェス」。多田玲子さんのイラストがかわいい。

青山ブックセンターは、2010年7月26日 (月) から1ヶ月間、夏恒例の「本のお祭り」=『ブックフェス』を『ABC ブックフェス 2010 〜この本は本当にいい!!』 と題して開催いたします。
ABCブックフェス2010、今年のテーマは「とぶ」です。

期間中は池澤夏樹、田名網敬一、角野栄子、石黒謙吾、多田玲子など豪華ゲストによるトークイベントを開催すると共に、店舗にてブックフェス小冊子を配布いたします。
これまで小冊子には作家・デザイナー・アーティストからの選書とコメントのみを掲載して参りましたが、今年は初の試みとして、青山ブックセンターのスタッフによる選書・コメントも一緒に掲載する予定です。

また、ブックフェス開催期間中の8月20日 (金) 〜26日 (木) 、ポイントカードご利用のお客様にダブルポイントキャンペーンを開催予定です。ブックフェスオリジナルの多田玲子さんイラストによるポイントカードもお目見えします。

暑い季節の開催ではございますが、「書店」という「本が息をしている場」を感じに是非ご来店ください。

『ABC ブックフェス2010』〜この本は本当にいい!!〜(7月26日〜8月31日):青山ブックセンター
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_201008/bookfes2010.html

六本木のABCに倒産の張り紙が貼られた当日、その日の朝のことは一生忘れないと思うし、そのインパクトの大きさの分だけ復活が分かった時はとてもとても嬉しかった。復活当初、ちょっとだけ感じた違和感も最近はなくなったし、改めて、一番好きな書店のひとつ。できることなら、ずっとずっとおつきあいいただきたい。

最近、いや、ちょっと前から、改めて「書店」が面白い。もちろんどこの書店でも、というわけにはいかないけれど、おもしろい書店がたくさんある。で、完全に妄想でしかないんだけど、Amazonの本格的な普及がこの状態に拍車をかけている、と考えている。

本、もしくはその周辺の物品を購入するのに、Amazonを選択しない理由なんてほとんど、ない。今(午前8時ころ)注文すれば今日届いちゃうし、コンビニで受け取ったりもできる。ポイントも(しょっぱいけど)たまったりする。合理的な選択をするのだとすると、「ほんとに今すぐ、10分以内に欲しい」というパターン以外は書店にとって勝ち目がない。でも、その勝ち目のなさを自覚した書店が増えたことが、「面白い」と感じさせられる原因ではないかな、と。

物理的場所的制約がない書店なんてなくて、つまり、「どんな本でもある」書店なんて存在しない。つまり、ぼくたちが書店に足を踏み入れた瞬間に目にする本の山は、既に書店側によって「編集」され、なんらかの意図を持ったメッセージになっている、はず。マンガがあったりなかったり、ハーバードビジネスレビューがあったりなかったり、いろいろだけど、少し前まで「いかにセールスするか」みたいな観点で行われていた仕入れや陳列が、ちょっとずつ変わってるんじゃないかな、と。ベストセラーを書店で買う必要なんてないしさ。まったくもって。

ひとりの書店好きな消費者としてはそれぞれのメッセージを感じにいろんな書店に足を運ぶし、「この本を買っている人はこの本も買っています」みたいな味気ないレコメンドじゃなくて(便利だけどね)、書店の、そして書店員のみなさんのメッセージを、まだまだ感じ続けていたい。全知全能の神どころか、本に親しみ始めたのがここ最近なぼくにとっては「何事にも先達はあらまほしきもの」。会話を交わすわけでもないけれど、書店との静かなコミュニケーションを楽しみに、今日もどこかに行きたいな。さて、どこ行くかな。